投資信託を買った時、自分のお金がどう流れていくかご存知ですか?
証券会社で買ったから、証券会社が運用してくれているのでは・・?
そう思われる方も多いかもしれませんが、実は、証券会社は窓口でしかないのです。
実際にお金の流れとあわせて見ていきましょう。
投資信託とお金の流れ
投資信託を購入できるのは、証券会社だけではありませんね。
銀行や信用金庫などでも購入が可能です。
これら証券会社・銀行などを合わせて「販売会社」と呼びます。
販売会社は窓口の役割を果たすわけです。
そして、販売会社を通じて投資家から集まったお金は、アセットマネジメントなどとも呼ばれる運用会社が運用をします。
運用で得られた利益は、販売会社を通じて投資家に還元されるのです。

運用会社は、運用だけでなく投資信託を作る役割もありますので、投資信託においてとても重要な会社となります。
販売会社・資産運用会社について、もう少し詳しく見ていきましょう。
販売会社の役割
代表的な販売会社といえば、
■三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行などのメガバンク
■野村證券・大和証券・SMBC日興証券・みずほ証券・三菱UFJモルガンスタンレー証券などの5大証券
です。
他にも、信用金庫やJAバンク、一部の保険会社なども販売会社として名を連ねています。
これらは、いずれも窓口の役割を果たし、投資家と直接やり取りをします。
販売会社の役割・投資信託の募集/売り出し(販売)
・解約などの手続き
・収益分配金や償還金の支払い
などの業務を行っています。
販売会社が倒産したら投信はどうなる?
結論から言うと、銀行などの販売会社が万一倒産しても、投資家が保有する投資信託は保全されます。
販売会社は、投資家から受け取った資金を運用会社へと引き渡すだけで、その資金を管理することはありません。
投資家の資金は販売会社の固有の財産ではないので当然ですが、販売会社が万一倒産しても何も問題ないということになります。
運用会社の役割
代表的な運用会社といえば、
■野村アセットマネジメント
■大和証券投資信託委託
■日興アセットマネジメント
■三菱UFJ国際投信
■アセマネONE
(2018年5月末 契約型公募投資信託の純資産総額順)
です。
運用会社の役割・運用の指図
・投資信託を作る(一般的に設定と呼ぶ)こと
・顧客向け資料(目論見書や運用報告書など)の作成
などです。
運用会社が倒産したら投信はどうなる?
結論から言うと、運用会社が万一倒産しても、投資家が保有する投資信託は保全されます。
販売会社を通じて投資家から受け取った資金は、一つにまとめられ、信託銀行というところで管理・保管されるため、投資家のお金は資産運用会社にあるわけではないのです。
そのため、運用会社が倒産しても、投資家のお金は守られることになります。
ちなみに、運用会社が投資家から預かった資金を信託銀行へ”委託”するので、運用会社は法律上、「委託会社」とも呼ばれています。
さらに言うと・・・
資金が別のところにあるということは、運用に関わるお金の出入りも、運用会社が行っているわけではないということです。実際の運用は、「運用会社が信託銀行へ指図する」という形で行われ、運用会社が自社や関係会社の利益になる取引が出来ないようになっています。
では信託銀行が倒産したら?
こちらも結論から言うと、信託銀行が万一倒産しても、投資家が保有する投資信託は保全されます。
信託銀行は、運用会社から託された投資家のお金を、自社の財産と分けて管理します。
そのため、万一信託銀行が倒産しても、運用会社が別の信託銀行に管理を任せるだけで、投資家のお金は守られることになっています。
最後に
投資信託のお金の流れは
①投資家が資金を払う
②窓口である販売会社が運用会社に資金をパスする
③運用会社が運用の指図をする(お金の出し入れは資金を管理する信託銀行が行う)
④運用益が出たら窓口を通じて投資家に還元される
という複雑な形になっています。
「窓口の販売会社・運用の運用会社・管理の信託銀行」というように役割分担がなされ、投資家としては安心材料ではありますが、一方で、「難しいイメージ」がつきものになってしまいましたね。